遂に発売されたラヴニカのギルド。
ラヴニカブロックはMTGを始めて間もない頃の自分にとって最初の多色セットであったため、思い出深いブロックでもある。
当時はショックランドの値段の高さ(初出時は2000円~3000円弱)に驚いたり、《不可視の一瞥》の2マナで10枚ライブラリー破壊するというインパクトに惹かれて青黒ライブラリーアウトを組んでいたこともあった。

さて今回は3度目となるラヴニカブロック。カードパワーが高い多色が目白押しだが、単色にも強力なカードが存在する。中でもこのカードについては多数のプレイヤーが驚いたことだろう。

破滅を囁くもの/Doom Whisperer
(3)(黒)(黒)
クリーチャー — ナイトメア(Nightmare) デーモン(Demon)
飛行、トランプル
2点のライフを支払う:諜報2を行う。(あなたのライブラリーの一番上からカードを2枚見て、そのうちの望む枚数をあなたの墓地に、残りをあなたのライブラリーの一番上に望む順番で置く。)

6/6


優秀なマナレシオ、飛行トランプルという回避能力に加えて任意のタイミングでペイライフによって諜報2を行える。このスペックであればデーモンに限らずデメリットが課せられるのが通例だが、そんなものは無い。多色のカードに見劣りすることのない、強力な一枚である。
デーモンということもあって、今期スタンを組むならまずはこれを使いたいと思った。伝説でもないので4枚入れても問題なさそうだ。

さて、一方でラヴニカが登場したことによってローテーションが発生し、カラデシュとアモンケットブロックのカードは退場となった。それまでは《陰謀団の要塞》による大量マナを活用する黒単コントロールを使用していたが、その中核を担っていた《才気ある霊気体》と《歩行バリスタ》が退場したことは中々の痛手であった。
現状、陰謀団の要塞によって恩恵を受けられるカードはほぼ《リッチの騎士、ジョス・ヴェス》くらいしか存在せず、そのジョスをキッカー込みで出すにも沼7枚+要塞の8枚置けるまでずっと握っていなければならなかったのが歯がゆいところであった。

そこで、破滅を囁くものが登場したことにより要塞を採用しない形が組めないかと考えた。
ラヴニカブロックが出たのに単色でやる意味は?と思うかもしれない。実際のところ多色化した方が大方都合が良いだろう。
ただやはりここは我を貫くべく、意地でも黒単で頑張ってみたい。

・前評判が高く、環境初期の使用者も多そうなボロスアグロに対して強い2マナ域である《悪意の騎士》をメイン4としたい。
・緑単系統に採用されるであろう《無効皮のフェロックス》を軽いマナで処理できる《凶兆艦隊の毒殺者》はポスト才気ある霊気体にならないだろうか?
→ボロスアグロ相手にあまり強くない上に緑単相手にも《鉄葉のチャンピオン》を止められないためほぼフェロックスにしか役に立たない。
・《戦慄の影》と《疫病作り師》どちらに枠を割くべきか?
戦慄の影を入れると《廃墟の地》《オラーズカの拱門》といったコントロールに強い無色土地が採りづらくなってしまう。環境初期はアグロだけでなくコントロールも一定数いることを想定してこれらの土地は入れたい。
・疫病作り師を入れるならそれを使い回せる《愚蒙の記念像》は2枚くらい採用したい。フィニッシャーが除去された時の保険にもなる。
・《ウルザの後継、カーン》は引き続き採用したい。一方、クロックが不足しがちなため《宝物の地図》を4枚採用し、カーンを打点カウントできるようにしたい。
・軽いクロックが自分側にほぼいない上に横並びする相手も多そうなので《煤の儀式》を思い切ってメイン3。
・ボロスを意識するとオレリアをインスタントで除去できるスペルが欲しい。殺害か名声の代価のどちらにすべきか。
→非伝説生物を扱う相手にも3マナで打てる殺害の方が良さそう。
《悪魔王ベルゼンロック》も使いたい。破滅を囁くものと共存できないか?
→破滅を囁くものからマナカーブも綺麗に繋がる。何たってデーモンの数が増える。難しいことは考えずにまずは入れてみる!
・メインボードに除去スペルが多いのでサイドからは対コントロールで強いカードを多めに。

そんなことを考えて出来たリストがこちら。

-黒単ミッドレンジ-
4《悪意の騎士/Knight of Malice》
3《疫病造り師/Plaguecrafter》
4《破滅を囁くもの/Doom Whisperer》
2《悪魔王ベルゼンロック/Demonlord Belzenlok》

4《喪心/Cast Down》
3《殺害/Murder》
4《ヴラスカの侮辱/Vraska’s Contempt》
3《煤の儀式/Ritual of Soot》
4《宝物の地図/Treasure Map》
4《ウルザの後継、カーン/Karn, Scion of Urza》

19《沼/Swamp》
2《愚蒙の記念像/Memorial to Folly》
3《廃墟の地/Field of Ruin》
1《オラーズカの拱門/Arch of Orazca》

4《強迫/Duress》
4《渇望の時/Moment of Craving》
3《帆凧の掠め盗り/Kitesail Freebooter》
2《アルゲールの断血/Arguel’s Blood Fast》
2《最古再誕/The Eldest Reborn》


メインは多数の除去にスロットを割いており、悪魔達が着地するまでの時間を稼ぎ、カーンのトークンも織り交ぜて後からじっくりライフを削る。じっくりと言っても3回ほどの攻撃を通せば勝ててしまう程のサイズがあるため、コントロールデッキほど試合が長くなることはなさそうだ。
このリストで先日の環境初陣戦へ参加。

R1 青赤コントロール 勝ち
R2 青黒ミッドレンジ 負け
R3 白単コントロール 引き分け
R4 グリクシスコントロール 勝ち
R5 ジェスカイコントロール 勝ち
R6 青黒ミッドレンジ 勝ち
R7 青黒ミッドレンジ 勝ち
R8 緑t黒ストンピィ 勝ち

6-1-1でしたがオポ差により9位。
ボロスや赤単に一度も当たらず、コントロール・ミッドレンジとばかりマッチングしていたのだが今後のメタの動向によっては煤の儀式をサイドに落としても問題ないかもしれない。

破滅を囁くものの使用感については、まず額面通りのスペックが攻防に渡って頼りになる。諜報は対コントロール等ライフに余裕がある場合であれば1~2回起動する、といった具合でそこまで積極的に起動することは少なかった。
黒絡みの相手であれば喪心が飛んでくるのだが、喪心が効かず即座にアドを稼げるベルゼンロックが頼りになることが多かった。

環境初陣戦の全体としては、もちろん上述のボロスや赤単といったデッキの使用者もいたが、各人が思い思いのデッキを持ち込んでいる印象が強かった。
環境初期は特有の面白さがあるため、今後も引き続きスタンを楽しみたいところ。
今月には神挑戦者決定戦もあるので、まずはそれを目標に調整してゆきたい。

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